白杖の僕にとって傘をさしての外出は大変なのだけれど、
今朝はどしゃぶりの雨がうれしかった。
入梅してから一日降っただけで、その後は好天が続いていたからだろう。
10日ほど前だったと思うが、
一緒に歩いていた学生が御池通りの植え込みの紫陽花を触らせてくれた。
好天の中、心なしか紫陽花が元気がないように感じていた。
ずっと気になっていた。
だから、雨に気づいて真っ先にそのあじさいを思い出してほっとしたのだろう。
外出の大変さよりもうれしさの方が大きかった。
何かいいことがあるような予感がした。
不思議な気持ちだった。
仕事の後、ライトハウスでの会議を終えて帰宅したのは22時前だった。
帰り着くと同時に携帯が鳴った。
療養中の先輩からだった。
いつも気になっていた先輩の病状が好転したとの知らせだった。
うれしさが爆発した。
疲労感が吹っ飛んだような気がした。
鮮やかな青色の紫陽花を思い出した。
生き生きとした色合いだった。
とてもうれしい雨の日となった。
(2017年6月21日)