毎年4月の第一土曜日と日曜日に洛西さくらまつりが開催される。
小畑川沿いの桜並木が桜色に染まる頃だ。
会場ではボランティアさん達が点字や手引きの体験コーナーを開設してくださる。
地域での大切な啓発活動の場となっている。
地味な企画だから特別ににぎわうことはないが、
参加してくださる人は毎年必ずいる。
参加してくださればきっと正しい理解につながっていくだろう。
コツコツと継続することがとても重要だ。
僕もほとんど毎年参加している。
今年の桜はまだつぼみだったがそれなりの人出だった。
数十名の方が点字や手引きの体験をしてくださった。
僕も精一杯頑張った。
年度始めという設定も僕の気持ちを強く推してくれた。
休憩でテントの奥に腰を下ろしていた時、
1人の女性が僕を尋ねてきた。
「小学生の時に松永さんのお話を聞きました。
それから何度かお手伝いをしました。」
28歳になっていた彼女が笑った。
地味な活動でもコツコツやり続ければ、
必ず未来につながっていく。
彼女はそれを伝えるために僕を尋ねてくれたような気がした。
抱っこされていた彼女の赤ちゃんも笑った。
未来が笑った。
(2017年4月1日)