ラジオから流れるラグビー中継を聞きながらのんびりとした時間を過ごした。
高校時代にラグビー部だった僕は卒業してもラグビーが好きだった。
東京での浪人時代には国立競技場までジャパンの観戦に出かけたこともあった。
ウエールズとのテストマッチだった。
桜のジャージィが外国の大柄な選手に果敢に挑む姿に心が震えた。
ノーサイドのホイッスル、試合は大敗だったがその姿に誰もが拍手を送った。
両国の選手がジャージィを交換してグラウンドを一周した時には、
何故か荒ぶる心と熱い涙で映像が曇った。
そういうことができるのが若いということだったのかもしれない。
三回り目の成人の日、僕はどれだけ成人になれたのだろうか。
あの純粋さはどこにいったのだろう。
無関心はいつ憶えたのだろう。
穏かになったのか鈍感になったのか、苦笑してしまう。
苦笑することもいつの間にか身に着けたのかな。
四回目の成人の日にはもう少しましな人間でありたい。
無心に楕円形のボールを追いかけたあの頃のように、
よし、三回目の成人式、もう一度仕切り直しのスタートだ。
(2017年1月9日)