2016年も残り少なくなった師走の夜、
僕達は先斗町の細い路地を上機嫌で歩いた。
大声で笑いながら歩いた。
細い路地は車も通らないし溝もないのでそこは安全だった。
あっちにふらふらこっちによとよと歩いた。
百年以上前、尊王攘夷の志士達は腰に刀をさしてここを歩いたのかもしれない。
僕達は刀の代わりに白い杖を持ってあるいた。
逞しくて強かった集団とはかけ離れていたが、
未来を夢見た仲間同士の笑顔は同じだったに違いない。
尊敬できる先輩と信頼できる仲間、格別な時間だった。
今年もいい一年だったということだろう。
苦境の中にいても心をひとつにできるということは幸せなことなのかもしれない。
(2016年12月22日)