大学は年が明けてしばらくすると試験などがあるので、
今年度の講義も後3回となった。
学校側の指示で学生達へのアンケートが実施された。
無記名なので学生達は自由に伸び伸びと書いてくれたようだった。
僕はいろいろな用事で休講せざるを得ないことが幾度もあり、
その度に補講を実施して迷惑をかけた。
補講を実施すると16時半には終わるはずの講義が延長されて18時となる。
帰宅が遅くなるだけではなくて、アルバイトをしている学生達には大変なことだ。
他の用事と重なって受講できない学生もいた。
当然、出来るだけ補講が少なく、もしあっても早く知らせて欲しいという意見があっ
た。
校外学習に出かける場合の交通費が負担になるという意見もあった。
それぞれに僕が反省しなければいけない課題だった。
それを踏まえての全体の感想は僕も驚くようなものだった。
受講してくれた学生達が皆一定の評価をしてくれていた。
ぬくもりのある言葉が並んでいた。
受講して良かった。
楽しかった。
障害への考え方が変わった。
もうすぐ終わるのが寂しい。
白杖の人に声をかけられるようになった。
素直でまっすぐな気持ちが綴られていた。
それはそのまま僕へのエールでもあった。
僕は学生の代表に朗読してもらった。
朗読が終わって僕は学生達に語りかけた。
「日常の君達はきっとこんな真面目な会話はしていないだろう。
でもね。今読んだ内容は君達1人1人が書いたんだよ。
素晴らしいよね。
君達がこうして学んでくれて、僕は幸せです。」
静まり返った教室には豊かな空気が充満していた。
未来を感じさせるものだった。
見えない僕の目から熱いものが零れ落ちた。
あと数回の講義、しっかりと取り組みたいと強く思った。
(2016年12月2日)