政令指定都市身体障碍者団体連絡協議会が神戸市で開催された。
ちょっとお疲れモードだった僕は、
とりあえず出席だけはしなくてはという気持ちで出かけた。
全体会議の後は障害別の会議だったので、
視覚障害者だけが別室に集ってそれぞれの課題について話し合った。
時々襲ってくる睡魔と闘いながら、
それでもなんとか京都市の代表としての役目は果たした。
その後また全体で集まって、障害別の会議の報告がなされた。
「ニュースに字幕をつけてください。」
聴覚障害の方の大きな声が響いてきた。
聞こえていないからボリュームの調整が困難なのだろう。
大きな声はしっかりと心の中にまで届いた。
内部障害の発表をなされた方は人工肛門を装着されておられ、声帯も失っておられる
ようだった。
「皆さんと一緒に温泉に入りたいのです。」
ふりしぼった微かな声が心の中に沁みわたった。
僕はいつの間にか真剣になっていた。
一人の市民として僕に何ができるのだろう。
目が見えない僕にもきっと何かできることはあるはずだ。
もし耳が聞こえなかったら、
もし足がなかったら、
もし話せなかったら、
イメージすることは僕にもできることだ。
そしてそこから始まることがきっとあるのだ。
(2016年9月3日)