いつものように電車を降りた瞬間、
コンチキチンの音色が耳に飛び込んできた。
7月が始まったのかとしみじみと思った。
地上に出て四条河原町を歩いたら、
浴衣姿の女性グループやカップル達とすれ違った。
それをうれしそうに僕に教えてくれたサポーターの声は、
前後の外国人の話し声にかき消されそうになっていた。
夏の始まりの予感の中に平和な古都があった。
うだるような夏はあまり好きではないのだけれど、
京都にはそれがよく似合うんだな。
そしてその風景の中に白杖の僕がいるとしたら、
それはとってもうれしいことだな。
祇園祭の宵山の夜、久しぶりにぞろぞろ歩いてみようかな。
(2016年7月2日)