サポーターといつもの歩道橋を歩いていたら
花のジュータンが見えると教えてくれた。
駅のロータリーの植え込みのことだった。
僕はそこまで連れていってくれるように頼んだ。
腰丈くらいの位置にそっと手を伸ばしたら
花弁が手のひら一杯に触れた。
手のひらで左右上下を確認したら一面の花弁だった。
花弁は少し濡れた感じでいきいきとしていた。
花の吐息が感じられるような気がした。
まさに花のジュータンだった。
色は白とピンクと赤と教えてもらった。
ジュータンは僕の心の中にまで広がった。
もっと感じたくて顔を近づけた。
柔らかな感触が頬を撫でた。
もうすぐ5月、一番いい季節がくるんだなとうれしくなった。
(2016年4月29日)