いつものことだけれど日帰りの東京出張はつらいものがある。
高田馬場での会議が多いのだが、
自宅から会場まで片道4時間近くかかる。
5時前に起床して6時には家を出る。
10時半から会議がスタートするのだけれど、
審議事項も多いせいか終了は16時を過ぎてしまう。
途中の昼食もゆっくりというわけにはいかない。
だから帰る頃はへとへとになっている。
最近東京駅からのぞみに乗車する前に今半のすきやき弁当を買う。
ちっちゃなお弁当が1,500円でちょっとおつりがくるくらいだから僕には高級品だ。
今半は浅草にあるすきやきの老舗らしいのだが勿論入ったことはない。
友人にこのお弁当を紹介されてすっかりファンになってしまった。
ほどよい硬さのごはんの上に柔らかい牛肉とお豆腐と玉ねぎが並べてあって、
つつましやかな味わいだ。
味覚が幸せを運んでくる。
食べ終わった時、心までが座席に深く沈み込む。
くつろぎとでもいう感覚だろうか。
一日がかりでの出張だが報酬はない。
時々驚かれるけれど、僕達の活動の基本は手弁当だ。
交通費だけが保障されている。
この会議に参加するということはその日は収入につながる仕事はできない。
そして内容も過酷なのに何故参加するのか、
きっと自分を駆り立てる何かがあるのだろう。
会議に参加することが僕達の未来につながっていくのだ。
だから帰りののぞみの中での今半のお弁当は、
ちょっとだけ頑張った自分へのごほうびなのかもしれない。
特に僕はおいしいごほうびには弱いですからね。
(2016年3月5日)