一日に三ケ所での講演は疲れないかと尋ねられた。
講演は僕達のことを社会に正しく理解してもらう大きなチャンスだ。
言葉に思いがかぶさった時、初めて聞いてくださる人の心に届く。
そのためには会場の一人一人に対して真剣に向かい合わなければいけない。
対象が子供でも大人でも人数が多くても少なくても、
男性でも女性でもどんな職業の人でも立場の人でも、
美辞麗句を並べても伝わらない。
真剣でなければ伝わらない。
逆に言葉足らずでも、思いがあれば伝わっていくこともある。
真剣に向かい合う姿勢が大切なのだろう。
真剣になるということはそれなりのエネルギーが要る。
だから疲れないということはないのかもしれない。
でも疲れを感じることはほとんどない。
一人でも二人でも伝わったことの方がうれしく感じるからだろう。
話を聞いてくださったことへの感謝の気持ちが大きいのだ。
伝わるということは共感してもらえるということ、
それは見える人も見えない人も見えにくい人も、
誰もが参加しやすい社会につながっていくということ。
未来への種蒔きなのだ。
(2016年2月22日)