視覚障害者の全国規模の研修会の役員をするようになってから、
年に何度も東京まで出かけるようになった。
一人で自宅から京都駅まで行き、
目的地の東京の駅名を駅員さんに告げてサポートを受けるのも上手になった。
今回の研修は二泊三日の予定だったが、
研修会の前日に帝京大学での講演があったので三泊四日となった。
一日延びれば体力的な疲労は大きくなるのだろうが、
初日に大学での講演があったお蔭でなんとなく豊かな気持ちで過ごすことができた。
新宿駅で友人と待ち合わせて大学へ向かった。
大学では学生がサポートしてくれた。
最初は緊張していた学生も、
キャンパスを歩き研究室で休憩し、
講演を終えてバイバイする時には素敵な笑顔だった。
この日本という国の中心の東京で、
しかも若者達に向かってメッセージを発信できたのはとてもうれしかった。
その流れの中での研修会への参加となった。
北は札幌、南は鹿児島、全国から地域のリーダー達が研鑽のために集った。
そこで講義をするというのは僕には荷が重すぎることなのだが、
これも参加者のやさしさに助けられながら取り組むことができた。
優等生なら何でもどんどんこなしていけるのだろうが、
昔から劣等生に近かった僕はいつもいろんな人に助けられて生きてきたような気がす
る。
スケジュールだけが優等生のようになった今、
劣等生の自分をしっかりと再確認しながら活動していきたい。
また来年の講演も聞きにくると言ってくれた学生がいた。
僕にもできることがあるというのは、やっぱり幸せなことだ。
帝京大学のキャンパスからは富士山がくっきりと見えると学生が教えてくれた。
富士山の雄姿を思い出した。
すがすがしい東京となった。
(2015年12月5日)