研修三日目の朝を迎えた。
だいぶ疲労感も大きくなってきているのだろう。
あくびをしながらベッドから起きだしてパソコンでラジオをつける。
当たり前だけど天気予報は関東バージョンだ。
昼間は25度を超えそうとのこと、ちょっと気分も重たい。
一息ついてからシャワーを浴びる。
それからホテルに備え付けのポットでお湯を沸かす。
コーヒーはお気に入りのスティックに入ったインスタントコーヒーを持参している。
お湯を注いだ時の香りでなんとなくほっとする。
コーヒーを啜りながらメールチェックをする。
届いた中に教え子からの短いメールがあった。
「キンモクセイが咲きました。もうすぐ小道がオレンジ色のカーペットになります。
ただそれだけです。」
コーヒーと一緒に幸せな気分がのど元を通り過ぎる。
よし、今日も頑張るぞと研修会場に向かう。
受講生が朝の挨拶をしてくれる。
「昨夜、お月様を眺めました。スーパームーン!とっても美しかったです。」
彼女の笑顔で僕も笑顔になる。
見えない僕に自分が見えている感動を伝えてくださる人がいる。
それは僕の目になってくださっているということ、
しかもその目はとてもやさしい眼差しを持った目なのだ。
(2015年9月29日)