シルバーウィークの秋の一日、
仲間達と今宮神社のあぶり餅を食べに行った。
僕達は視覚に障害があるということで知り合った。
たまたま同じ時代に同じこの京都で、
それぞれの理由で目が不自由になった。
障害への思いはもちろんのこと、
一人の人間としての考え方もきっと随分違うのかもしれない。
ただ、未来を見つめる視線だけは同じだ。
でもそれをわざわざ口にはしない。
言葉にならない言葉が大きな意味を持つこともあるのだ。
運ばれてきたあぶり餅の香ばしさ、
ほんのり甘い白味噌だれ、
僕達は竹串の先の小さなお餅をほおばった。
それぞれの見えない視線がフフッと笑った。
笑顔が交差した。
穏やかな秋の一日、また明日から頑張ろうと思った。
(2015年9月23日)