日常は白杖を使っての単独歩行をしている。
それが普通の日々だから特別な違和感はない。
知らない場所や初めての場所への移動、限られた時間の中での移動などの場合は、
ガイドヘルパーを利用したりサポーターに手引きしてもらったりしている。
白杖での単独歩行とサポーターとの手引き歩行を組み合わせて、
危険な状態になることのないようにしているのだ。
ここ三日間は大阪の医療系の専門学校での講座が続いた。
長時間で体力的にも結構ハードな内容だったので
初日だけ単独で移動し後の二日間はサポーターの手引きで移動した。
電車の中で空いてる席を見つけられない僕は、
初日の単独移動の日は京都から大阪までずっと立っていた。
運がいい日は他の乗客の方が空いてる席を教えてくださったりすることもあるのだが
今回はだめだった。
サポーターと一緒の二日間はもちろん座ることもできたし、
車内放送に必死にならなくても済んだし、何より楽な歩行ができていた。
そして今日、たった二日ぶりの単独歩行、
意識的に集中力を高めて歩こうとしている自分がいた。
なんとなく白杖を握る手に力が入っていた。
安全を確保するための自然な動きなのだろう。
視覚以外の五感を使っての歩行、
やっぱりエネルギーを使っているのだなと再確認した。
白杖も僕自身もやさしくいたわってあげなくちゃと思った。
(2015年8月31日)