朝、公園の近くを歩いた。
ちょっと立ち止まってみた。
いつもうるさく聞こえるセミの声にあらためて耳を澄ませたら、
自然という作曲家に感動してしまった。
まさに交響曲なのだ。
高い音、低い音、だんだん大きくなる音、小さくなる音、
突然入ってくる音、消える音、
続いている音、変化していく音、
いろいろな種類のたくさんのセミ達が、
それぞれのパートをそれぞれの鳴き声で受け持っていて、
その全体が見事な調和を保っているのだ。
自然の奏でるメロディの素晴らしさに圧倒されてしまった。
そしてどうして今まで気づかなかったのか不思議に思えた。
日々の暮らしにゆとりがないのかもしれない。
見ているつもりが見えてなくて、聞いているつもりが聞いていなくて、
これは視力とか聴力の問題ではなさそうだ。
とにかく、宝石箱の隅っこに隠れていた宝石を見つけ出したような気になった。
幸せを感じた。
(2015年8月14日)