僕は元々タコが好きだ。
おいしいタコに出会うとちょっと幸せな気分になる。
先日、新鮮でおいしいタコが出た料理屋さんで半夏生の話題となった。
その料理屋のおかみさんから、
半夏生のいわれが説明してあるメールが今日届いた。
田植えの稲がタコの足のようにしっかりと根付きますように、
お米がタコの吸盤のようにたくさん付きますようにとの願いがこめられているとのこ
とだ。
農耕民族のこの国の先人達が
日々の暮らしの祈りから始めたことなのだろう。
若い頃あまり興味がなかったような文化を素敵だと思えるようになった。
それを知ることに喜びを感じるようにもなった。
知るということが単純に知識という意味でなく、
おいしいタコが噛めば噛むほど味わい深くなる感覚に似ている。
メールを幾度か読み返して言葉を噛みしめながら、
見たことのないおかみさんの笑顔が見えそうな気にもなった。
(2015年7月5日)