ちっちゃなちっちゃなボランティア講座だった。
タイミングが悪かったのか広報がうまくいかなかったのか、
たった5名の参加者だった。
奥様が視覚障害になったという初老の男性、
何かできることはないかと探しておられるような地域の女性、
実際にボランティア活動をしているけれどもきちんと学びたいという女性、
教師を目指しているという2名の男子大学生、
僕を含めて初めて出会う人達が、
講座が進むにつれて少しずつ打ち解けていった。
目が見えない講師の僕と目が見える受講生、
正しい理解がその距離をどんどん縮めていった。
講座の後の反省会では20歳過ぎの大学生が、
「誰かの役に立ちたい。」という感想を皆の前で言葉にした。
そしてその言葉がまたそれぞれの受講者の心に沁みこんだ。
こうして理解は広がっていくのだ。
この若者が教師になって子供達に出会う時、
僕達のことをどのように伝えてくれるのだろうか、
想像するとわくわくする感じだ。
人間が人間に伝える力が
未来を創造する大きな力となるのは間違いない。
ちっちゃなちっちゃな講座、
充実した一日となった。
(2015年5月27日)