ホームページの中にあるお問い合わせホームからメールが届く。
たいていは授業や講演の依頼だがたまに取材の申し込みなどもあったりする。
このホームページを始めたのは「見えない世界を伝えたい」がテーマなのだから、
そのどれもがとても有難いことだ。
そして時々ブログへの感想やメッセージが届くこともある。
自分で書いたものは読まないくせに届いたメッセージは何度も読み返すのが常だ。
何度も読み返すとひとつひとつの言葉が僕の肩をたたいてくれることもあるし、
行間にかくれていたやさしさを見つけてうれしくなることもある。
氏名を確認しても出会った場所を教えてもらっても僕の記憶はほとんど反応しない。
画像のない中での出会いでは仕方ないことなのだろう。
見えなくなって間もない頃はこの記憶力を悲観し
相手に対しても申し訳ないという気持ちが大きかった。
いつの頃からかそれも見えないことの副産物と納得するようになった。
そしてひとつひとつの言葉は僕の記憶がどうのこうのというレベルのものではなく、
間違いなく今の僕へのエールなのだ。
ホームページを介して贈る言葉と送られる言葉、
その言葉には性別も年齢も国籍もない。
人間のあたたかさだけが宿っている。
人間って本当に素敵です。
(2015年5月25日)