大学で僕が受け持っている講座は選択制だ。
希望する学生達だけが受講する。
一人でも多くの学生達に僕達の思いを伝えたいという気持ちはあるのだけれど
新年度が始まって受講登録が終わらないと
実際に受講する学生の数は判らない。
ドキドキしながらヒヤヒヤしながら新年度を迎える。
有難いことに今年度も学生達が集まってくれた。
どうしてこの講座を受講しようと思ったかを尋ねてみた。
18歳の若者達の気取らない飾らない素直な言葉がならんだ。
先輩に勧められた。
ゼミの先生に紹介された。
今まで見えない人と出会ったことがなかったから興味を持った。
盲導犬を見たことがあって興味があった。
障害のある人の役に立ちたいと思った。
当事者の声を聞いてみたいと考えた。
福祉の仕事につくかどうかは別にして、
サポートのできる人になりたいと思った。
以前駅で困っておられた白杖の人にサポートができなくて、
自分に悔しいと感じた。
誰かを助けられる人になりたい。
ひとりひとりの言葉が僕の胸に沁みわたった。
堂々とメッセージを発信している若者達をまぶしく感じた。
僕が18歳だった頃、
障害のある人とすれ違った時何を感じていたのだろうか。
感じないふりをしていたのだろうか。
そう思うと時代は少しずつ動いているのかもしれない。
見える人も見えない人も見えにくい人も共に笑顔で暮らせる未来に向かって
学生達と一緒に一歩でも前に進みたい。
(2015年5月9日)