生まれ育った阿久根市出身の友人達と、
のんびりとした休日を過ごした。
僕がちょっとだけ年上だけど、皆ほとんど同じ世代だ。
優子ちゃん、幸子ちゃんと自然に呼びかけながら、
鴨川のほとりを歩いた。
それぞれが阿久根を離れて30年以上の時間が流れているのに、
故郷への思いは変わらない。
子供の頃歩いた道も出かけた場所も、
何もかもが一緒だ。
食べていたものまでもがほとんど同じなのには驚いた。
昭和40年代、まだ日本中が貧しかった頃、
子供達は子供達なりの夢を抱いて生きていたのだろう。
そして幸福という訳のわからないものを手に入れたくて、
大人になっても頑張ってきた。
「子供の頃普通に見ていた阿久根の海に落ちる夕日、最高だったね。」
ふと誰かがつぶやいた言葉に皆がうなづいた。
当たり前にあることの中に本当の幸せは隠れているのかもしれない。
阿久根の落陽、見えなくなった今でもはっきり憶えています。
そして思い出すと、とっても幸せな気分になります。
(2015年3月2日)