親というのは最後まで何かを教えてくれるものなのだろう。
57年も生きてきているのに、
自分の命に限りがあることをあまり意識していなかった。
呼吸が止まった父と向かい合った時、
初めてそれをしっかりと実感した。
時間に限りがあるからこそ大切にしなければいけないのだ。
18年ぶりとかの大雪が
新しい年の始まりの街並みを白色に染めた。
その白色に触ったら何か気持ちが落ち着いた。
18年前は、僕はきっと目で白色を見た。
ほとんど最後の映像だったはずなのに
いつどこで見たのか憶えていない。
見たかどうかではなくて、
見てどう感じたかが大切だということなのだろう。
そして、目で見ることも指先で見ることも、
もっと大げさに言えば心で見ることも、
結局は同じことなのだと18年という歳月が教えてくれた。
僕は僕であり続けるのだろう。
今年、また気持ちを新たにして、
しっかりと未来を見つめて生きていきたい。
(2015年1月2日)