白杖の先に枯葉を感じた。
歩道の端に重たい塊になってあった。
昨日の雨で重たさを増しているのかもしれない。
何故か立ち止まってしまった。
何の脈絡もないのに、父と歩いた日々を思い出した。
もう一度歩きたいという衝動がおさまるまで、
ただじっと立ちすくんだ。
北風が時を運んで去っていった。
やっとフゥーっと息をはいて、
首をあげて空を眺めた。
冬枯れの空に青があった。
美しいと思った。
今年の忘年会、すべてに欠席を届けた。
今年を忘れたくないのだろう。
やがて枯葉は土に帰る。
きっと、思い出も土に帰る。
(2014年12月7日)