京都府の北部地域から集まった視覚障害者、ガイドヘルパー、ボランティア、
皆で福知山市内をパレードした。
白杖を持って、盲導犬と一緒に、ガイドさんや家族にサポートしてもらいながら
シュプレヒコールに背中を押されて歩いた。
と言っても、都会の雑踏とは違ってほとんど人通りはない。
一見すれば、あまり意味がないように思う人もいるかもしれない。
でもそれは違うのだ。
この京都のそれぞれの地域で暮らす視覚に障害を持った仲間が、
一か所に集って、皆で思いを言葉にする。
その言葉をしっかりと口にしながら歩くのだ。
そこに大きな意味がある。
この行事が始まってもう48年、
点字ブロックも音響信号もない時代からずっと、
バトンが受け継がれてきたのだ。
そして、僕達はこのバトンを未来に届けなければいけない。
僕は歩いている間、すがすがしさを感じていた。
そして、ずっと笑顔だった。
帰宅してパソコンを開いたら仲間からのメッセージ、
ねぎらいの言葉がやさしく微笑む。
心と心が握手する。
見えなくなって失ったものもある。
でも、得たものもたくさんある。
ひょっとしたら、人生は豊かになったかもしれない。
(2014年10月12日)