大阪府の高校の授業でアイマスク体験をした。
この高校では、僕は毎年3年生の家庭看護福祉という授業に関わっている。
京都からは遠くて通勤も結構大変だし、
今時の若者達がこの地味な授業にどれだけ興味を持ってくれるのかも判らないのだが
ささやかな希望を持って続けている。
今回の授業は視覚障害者が困っていたらどのように手伝ったらいいのかを学ぶ実習で
二人一組で片方がアイマスクをし、
もう一人がサポートをしながら校庭を歩くというものだった。
生徒達はそれなりに真剣に取り組み、
階段の上り下り、スロープ、狭い場所などの通過などを体験した。
水飲み場では、アイマスクのまま水を飲むことにもチャレンジした。
化粧がとれると心配を口にする女子高生もいたが、
それでも実習には真面目に参加してくれた。
その光景を感じながら、
また今年も高校生達に出会えたことに感謝した。
授業が終わっての帰り道、
校門に向かって歩いていたら、
「松永先生、さようなら。」
だいぶ向こう側から女子高生の声がした。
彼女は笑顔で手を振った。
僕も会釈をして、バイバイと手を振った。
秋空の下の校庭、
17歳の少女の制服姿の笑顔がとても絵になるような気がした。
(2014年10月9日)