点字ブロックの上を歩いていたら、
久しぶりに人とぶつかった。
それも、結構強くぶつかった。
僕は咄嗟に「すみません。」と謝りながら、
「大丈夫ですか?」と問いかけた。
ほとんど同時に、
「すみません。前を見ていなかったものですから。大丈夫ですか?」
中学生くらいの少女の声だった。
瞬間的にその言葉を言えた彼女に僕は感動さえ覚えた。
お互いに大丈夫なのを確認して別れた。
歩きながら、つい先日、知り合いが教えてくれたことを思い出した。
ぶつかったりした時、謝らない方がいい。
謝ったらこちらが悪いと認めることになる。
僕はちょっと違和感を持ったけれど、そうなのかと思う気持ちもあった。
でも、やっぱりそれはおかしいのだ。
少女の誠実な声が、僕にそれを教えてくれた。
咄嗟に謝ってしまう自分を大切にして生きていきたい。
(2014年9月20日)