午前中予定されていた綾部市視覚障碍者協会での挨拶を終え、
急いでお弁当を頂き、ボランティアさんの車で知人のお見舞いに向かった。
綾部市と舞鶴市の病院、二か所が終わったのが15時くらい、
帰るまでにもう少し時間があると思ったので、
引き揚げ記念館を訪れた。
我ながら、時間の使い方は、本当に上手になってきていると思う。
僕の父は、シベリアからの引揚者だ。
戦争によって、青春時代の数年間を失っている。
父は僕が子供の頃から、シベリアのことをほとんど語らない。
ただ、戦争は絶対にしてはならないと、
それはいつも言っていた。
語らない言葉に、大きな意味があったように思う。
風化していく歴史が、繰り返されないことを願いながら、
展示物を見て回った。
わずかの時間だったが、しっかりと刻まれた。
記念館の出口で、ボランティアさんが、
八重桜が咲いていることを僕に伝えた。
僕はちょっと立ち止まって、
深呼吸をして、空を眺めた。
平和な空を眺めた。
(2014年4月27日)