外出先でのトイレは大変だ。
ギリギリになって走ることもできないし、
探すこともできない。
だから、工夫をしている。
まず、よく利用する駅のトイレの場所とか構造を記憶している。
そして、記憶が風化しないように、
わざと時々利用する。
できるだけ、ユニバーサルトイレを使う。
見えなくなってから、立ちションはやめた。
汚してしまう危険性があるからだ。
ユニバーサルトイレは個室だから、
慌てずに、自分のペースでペーパーとか水洗のボタンなどを探せる。
便座が汚れていないかも判らないので、
とりあえず、必ず一度拭くことにしている。
結構大変だ。
それと、もよおさなくても、トイレをすますようにしている。
見える人と一緒の時など、
行きたくなくてもトイレに行くのだ。
こうしてなんとかなっているけれど、
もう少し老いてきたら、
紙パンツ・・・。
まだ、もうちょっと先かな。
今日は、よく使う駅の地下にある久しぶりのトイレに向かった。
結構穴場で、込んでいないし、行きやすい。
点字ブロックに沿って歩き、エレベーターの前まできた。
点字を探して、地下2階のボタンを押した。
ドアが開いて、ほっとしたのが失敗だった。
数歩動いて、トイレのドアの取っ手を開けようとした瞬間、
「そこは女子!」
おばちゃんに怒られた。
結構大きな声で、きつく怒られた。
僕はごめんなさいと言いながら、
もう少し先にあるユニバーサルを探した。
それでも、「ほんまにオッサンは!」と言う声が追いかけてきた。
ユニバーサルに入ってから、妙に悲しくなった。
一瞬、紙パンツを思い浮かべた。
でもな、やっぱりな。
まだ、決心にはたどりつかない。
鈍感そうに見えるかもしれませんが、
結構引きずるタイプかもしれません。
これからも、女子トイレにまぎれこみそうになっても、
故意ではないので、許してください。
(2014年2月21日)